自由になりたい中学2年生の少女と、妻を亡くした77歳の元船乗りの老人の交流を描いた少し不思議なヒューマンドラマ。
詩人、映画監督として活躍、2023年に他界した福間健二監督の遺作。本作では元船乗り・寺田を自ら演じた。
母とニ人暮らしの七海は中学2年生。
彼女は今日も学校には行かない。
川べりで夫を亡くしたばかりの岬と出会い心を通わせる。
七海は人の心が読めるのだ。
一方、77歳の寺田は、若い頃に妻を亡くした元船乗りで、
最近は老人たちが集まって飲み食いする
“憩いのベンチ”に参加している。
そこにやって来た七海は、老人たちに
「長生きしてもいいことないのかな」と聞き、
自分にはいいことがないと言った。
すると老人たちは
「若いのにそんなこと言うんじゃないよ」とたしなめたが、
七海は『きのう生まれたわけじゃない』と言い放った。
やがて、寺田とともに“憩いのベンチ”を抜け出した七海は
彼女の名前を褒めてくれた寺田との時間を過ごす。
寺田は、人の心を読める七海に驚く。
だが七海は、母の心だけは分らないのだと話す。
そしてその夜、寺田の前に亡くなった妻の綾子が現れ…。
独特の時間が流れる中、
心に傷を持つ人たちが身を寄せ合い心の隙間を埋め合って行く、
ぽかぽかと温かいヒーリングムービー。
11/11 ROAD SHOW
(C)2023 tough mama